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心をつなぐ配達|山の郵便配達

第21回コラム

  •  1999年、中国のアカデミー賞ともいえる金鶏賞を受賞した名作映画「山の郵便配達」は1980年代、湖南省西南部の山岳地帯が舞台。
     120キロの険しい山道を3日かけて、郵便と新聞を配って歩く仕事を年老いた父は息子に引き継ごうとしている。いつも父と共に歩いていた次男坊と呼ばれる愛犬と息子を配達に送り出そうとするが、次男坊は父の側を離れようとしない。しかたなく父は息子の配達に同行することにする。
     その旅の中で息子は、父の仕事に対する誇り、村人たちとの深い関わりを目にすることになる。そして、留守がちで寡黙なゆえに、親しめないでいた父の自分に対する気持ちを知り、お互いのわだかまりが消えてゆく。  緑濃い山あいの美しい風景の中でいくつもの、エピソードが淡々と語られていくなかで親子が心を通わせてゆくのがしみじみと伝わってくる。盲目の老婆に孫からの十元札一枚入った白紙の手紙をあたかも手紙が書いてあるように読む父、崖の上から父のために登りやすいようにとロープを下ろしてくれる村人、かつて父と母が出会ったような山岳民族の美少女との出会い。冷たい川を息子に背負われて渡る父の目に涙が溢れる。
     父の、配達という仕事への誇りと愛情が、確実に息子へと伝えられた旅を終えて家路につくとそこには温かい笑顔の母が出迎えている。
     時も所も遠く隔たってはいるが、配達することの大切さは同じではないだろうか。雨の日も雪の日も風の日も、まだ暗い早朝から準備された新聞が、一部一部手元に届けられる。それは素晴らしいことだ。
  •  新聞奨学生ガイドは、自分たちの夢を育みながら、こうした大切な仕事をしている君たちを応援しています。
  • 「山の郵便配達」Yahoo!映画サイトへ
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